#9 ダバダ火振

dabada 皆様どうも、漆澤でございます。 酒食にまつわる私の小話をご披露させてもらいながら、もう随分と長くなりました。あれこれとお酒や食べ物を思い出しつつ拙文を綴っておりますと、昔飲んだお酒のあれこれが懐かしく思い出されます。 焼酎ブームに火のついた5・6年前ほど、行きつけの小料理屋で私は栗焼酎の「ダバダ火振り」にすっかりはまっておりました。 四国・四万十川流域で採れた栗を原料に、思いのほかすっきりと、ほのかに甘やかさを感じる栗焼酎。水で割ってもお湯割にしても味がぼやけない優れもので、部下や取引先の方々と数人で呑んだ際には、あっという間に一升瓶が空いてしまったものです。 お酒は地方性が出るといいますが、確かに芋の採れる鹿児島では芋焼酎。田圃の多い宮崎や熊本では麦・米焼酎。そして四万十の清流と流域の豊富な栗は、爽やかで呑みやすいこの栗焼酎を生んだわけです。「火振り」とは松明をかざして四万十の鮎を取る「火振り漁」からきているとか。なるほど、鮎の塩焼きにあわせてもなかなかによさそうです。 焼酎ブームも落ち着いた最近では、「ダバダ火振り」も良く見かけるようになりました。書いている私も、懐かしくなってちょっと一杯飲みたくなります。皆様もぜひ一度、優しい味わいの栗焼酎をお試しください。